■博士院生へ支援拡大
半額免除者2倍に
学生指導対価も
|
本学は2月22日、博士課程の院生に対する経済支援策を拡充すると発表した。大学から、社会に大きく貢献できるリーダーとなる人材を育成する教育環境を整えることが目的だ。新しい支援策は平成20年度から開始される。
|
支援策は、@授業料免除者の拡大、A私費外国人留学生への特別奨学制度対象者の増員、B「研究遂行協力制度」の新設――という三つの柱で構成されている。
本学ではこれまで、博士院生に対して全額免除枠が約500人、半額免除枠が約500人分設定されており、合計約1000名が授業料の免除を受けていた。今回の支援策では、授業料の半額免除者が従来の2倍の1000名に拡大され、合計1500名が免除対象となる。私費外国人留学生への特別奨学制度対象者は従来の約60名から120名程度に増員される。また、博士院生が学生を指導したり、教員を手伝ったりすることに対する協力費として、2000名に対して年間30万円が支給される。
これらの新しい支援策と従来の制度を合わせると、本学の博士課程の院生のうち最大で9割程度が年間授業料の半額程度の支援が受けられることになる。
欧米の先進国では、博士課程の院生は、指導教員の研究費などから、生活費や授業料を支払ってもらい、勉学に専念できるような体制が整備されている。一方、日本では、授業料を学生が負担し、アルバイトをしながら勉強をすることが通例だ。将来研究者となる能力がありながら、経済的な理由から博士課程の進学を断念する者も多い。アジア諸国などの海外の優秀な学生が日本ではなく、経済面で有利な欧米の大学院に進学することも少なくない。
本学は当初、年間授業料を実質無料化する経済支援も検討していたが、財源確保が難しいなどの理由から今回の支援策を導入することになった。本学は「大学の努力で実現できる支援策は、現状では極めて限定的なものになるが、一歩ずつでも前進することが重要」とコメントしている。
■アゲハ変身原理解明
幼若ホルモンが関係
新領域創成科学研究科・藤原晴彦教授ら
アゲハチョウの幼虫が脱皮の際、色鮮やかな姿へと変化するのは、体内の幼若ホルモンの量が変化して遺伝子の働きを変えるためであると本学新領域創成科学研究科の藤原晴彦教授らの研究グループが突き止めた。研究成果は2月22日付けの米科学誌サイエンスに発表された。
アゲハの幼虫は4回目の脱皮の前までは、白と黒からなり鳥のフンに擬態している。4回目の脱皮が終わると、全身が緑色になって食草に似た隠蔽色になる。これは鳥のフンの紋様のまま成長するとかえって目立ってしまうためだと考えられていたが、その仕組みについては明らかにされていなかった。
今回藤原教授は、脱皮や変態にかかわる「幼若ホルモン」に着目。3回目の脱皮直後の幼虫にこのホルモンを塗ったところ、4回目の脱皮後も緑色にならず、フンのような姿のまま大きくなった。また、アゲハの体液中の幼若ホルモンの濃度を測定したところ、3回目の脱皮が終わると、減少していることが分かった。さらに幼若ホルモンは、幼虫全体の緑色の着色だけでなく、表面の突起構造や目玉模様などの色素分布も調節していることが確認された。
■新発光材料を開発
無有機併せ持ち低価格
生産技術研究所・藤岡洋教授ら
本学生産技術研究所の藤岡洋教授と神奈川科学技術アカデミー(KAST)は2月27日、有機発光材料の特徴を兼ね備えたフレキシブルな無機発光材料を開発したと発表した。
今日「有機EL」という表示・照明素子が大きな注目を集めている。有機ELは、軽い、価格が安い、曲げることができる、といった無機物の発光素子にはない優れた特徴を持っている。しかし一方で有機ELは寿命が短い、湿気に弱い、発光効率が低いといった問題もある。
無機の代表的な発光素材である、窒化ガリウムを用いて作製される「青色発光ダイオード」は、何万時間も安定に動作することができる。しかし、青色発光ダイオードは価格が高い。
今回藤岡教授らは、有機ポリマーを焼結して作製したグラファイトフィルムの上に、高品質窒化ガリウムを成長させることによって、有機と無機の発光材料の特徴を併せ持った新しいハイブリッド構造の開発に成功した。一般的には固い無機でありながら、やわらかい特性を持ち、薄型化、軽量化にもつながることが期待される。青色発光ダイオードと比べて、面積あたりの製造コストを一桁低減できる可能性もある。
今回の開発によって、効率が高く寿命の長いフレキシブル照明素子や大面積ディスプレーが安価に実現することが期待される。
■前期入試開催
本郷・駒場両キャンパス
平成20年度本学二次学力試験(前期日程)が2月25日、26日に本郷・駒場両キャンパスで行われた。試験会場の前は、受験生や広告を配布する予備校関係者などでにぎわった。
|