833号(2001年6月15日号)

Interview

  日本国際連合協会
  専務理事 黒田 瑞夫 氏

 財団法人として国内で国連活動の紹介をし、また国連英検などの活動を通して国民の国連に対する意識を高める活動をしている日本国際連合協会。専務理事の黒田さんに、その活動内容などを伺った。

常に国際情勢に関心を

黒田 瑞夫 氏

――日本国際連合協会の活動内容を教えて下さい。

 日本国際連合協会の主な目的は、国民に国連の活動内容を伝え、国民が国連の活動を支持するように情報を伝えることです。また、国際情勢を国民に知らせることも重要な役割です。そのために、現在は講演会、シンポジウムなどを全国的に開催しています。
 また、若い世代に対して、特別な取り組みをしています。国際協力や国連の活動を主なトピックスとして、中学生向けには作文コンテストを、高校生向けにはスピーチコンテストを主催しています。大学では模擬国連の活動を支援しています。また、国連の公用語である英語の検定試験も行っています。これがいわゆる国連英検というものです。この試験の特徴は、コミュニケーション、つまりスピーキングとリスニングの能力を重視していることにあります。さらに、A級と特A級とでは国際情勢への知識も求められます。自分の意見を論理的に述べることができるかどうかということも合否に大きく影響します。例えば「コソボ自治区での一連のユーゴスラビアの行動に対して、NATOが国連の安保理の認可を得ないままに軍事制裁を行ったことは、国際法上違法と思うか」という具合にです。A級と特A級をパスしている人は、外務省の行っている準国際公務員(JPO)の英語試験を免除されますし、推薦入試や編入試験で、国連英検を出願資格として認めている大学も多数あります。

――国際社会における日本人の課題は何ですか。

 国際機関、一般企業のどちらで働く場合であっても、今はグローバリゼーションの時代であるということができます。大競争の時代であり、情報産業の時代です。こういう時代だからこそ、特に若い人たちには国際的に活動することが求められているといえます。
 日本は国連の通常予算の20%近くを負担しており、これはアメリカに次いで2番目に大きい額です。国の分担金の負担額によって国連職員の適正人数を出す基準がありますが、それによると日本の国連本部における職員の適正数は200〜300の間です。しかし、現在国連本部で働いている日本人はわずか110人程度しかいません。
 さらに元国連事務次長の明石康さんや元国連難民高等弁務官の緒方定子さんのような優秀な人物に続く人材が乏しいのも大きな不安です。国際機関で働ける人材を育成するということは、この時代に本当の意味で活躍できる人材を育成するということです。冷戦が終結して以来、国際問題への関心が大幅に減った気がします。
 グローバリゼーション時代には国際経済は全て、国際政治に組み込まれているのですから、常に国際情勢に関心を持っていなければならないのです。
 もうひとつの問題は、国連というものが身近に感じられていないということです。現在の日本では国際社会への関心が薄いために、国際社会の理解も上滑りになりがちです。国際政治、国際経済に対して、終戦直後のような危機感が今の日本にはありません。日本人は、バブル時代には世界に対して過剰に自信を持つようになっていたのですが、バブルがはじけて不況に苦しむ現在、極端に自信を喪失しています。それは人情の自然と思いますが、冷静に客観情勢を把握するように勉強する必要があると思います。

――現在の若者が国際社会に出て活躍するのに必要なことは何ですか。

 最近の日本の若者を見ていて気になることがあります。それは、自分の主張を論理的に表明するのが苦手だということです。国際機関で働く場合、能力主義で昇進が決まります。同僚との競争に打ち勝たなければなりません。またアグレッシブに働かなければなりません。国際社会の現実とはそういうものなのです。
 今は大競争の時代が始まって競争相手は世界中にいるのです。国際競争の時代はまさに若い人の時代であると言うことを意味しています。それは年功序列ではなく、能力主義の時代だからです。国際社会を常に基準に考えて行動できる学生となってほしいと思います。


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 事務局次長
 亀山 近幸 氏

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