1996年9月5日発行 第690号

第35回七大戦

本学健闘も5位

優勝は空手道など5種目

 第三十五回国立七大学総合体育大会(七大戦)がこの八月までに行われ、本学は総合成績一五〇・五点で五位に終わった。今回主管校である名古屋大学が、総合成績一九三・五点で、京大に七・五点の差をつけて優勝した。

 この大会は、昨年十二月のアイスホッケーの試合を皮切りに、主管校である名古屋大学のキャンパスを中心に三十五の競技にわたり熱戦がくりひろげられた。
 本学は、昨年主管校をつとめ、馬術、バレーボール(男)など八種目で優勝を果たしたが、今回はバスケットボール(男)、バレーボール(男)、空手道、陸上競技(男)、フェンシングの五種目と減少した。ただ、バスケット男子は、一昨年、昨年にひき続き今年も見事に優勝した。
 また、準優勝も、昨年は硬式野球、ヨットなど七種目あったが、今年は、体操、弓道(女子)、アーチェリー、自動車、陸上ホッケーの五種目に減少した。
 本学は、過去主管校破り五回を含む総合優勝九回、三連覇を二回成し遂げ、実力的にはナンバー1と言われてきた。しかし、三十回大会の最下位に続き、三十一回大会で五位、三十二回大会で三位、三十三回大会で五位、昨年の三十四回大会は主管校でありながら二位、そして今回は五位と、近年は優勝から遠ざかっている。
 ちなみに、国立七大学総合体育大会は、かつて帝大と呼ばれた七つの大学による総合体育大会である。戦前から種目別で対抗戦が行われてきたが、昭和三十五年、北海道大学の体育会の提案により総合体育大会へと発展した。

平成9年度入試

昨年に続き定員減少

「入学者選抜要綱」配布中

 本学の平成九年度の入学試験の実施方法などを告知する「東京大学入学者選抜要項」が現在配布中である。これによると、来春の募集人員は、文科T類で二十人、文科U類で十人今春より減少する。
 募集人員は文科T類六百五十五人(前期日程五百九十人、後期日程六十五人)、文科U類三百九十五人(同三百五十五人、四十人)、文科V類 五百人(同四百四十五人、五十五人)、理科T類千二百九十五人(同千百五十八人、百三十七人)、理科U類五百六十一人(同五百一人、六十人)、理科V類九十人(同八十人、十人)で、合計三千四百九十六人(同三千百二十九人、三百六十七人)となっている。
 第二次学力試験は「分離分割方式」(前期日程・後期日程)により実施される。試験期日は、前期日程が平成九年二月二十五日(火)と二十六日(水)、後期日程が同三月十三日(木)と十四日(金)。出願期間は前期、後期とも同一月二十七日(月)から二月四日(火)となっている。
 受験科目は、前期日程の“文科”では「国語、数学、地理歴史(日本史B、世界史B、地理Bのうち二科目選択)、外国語」、“理科”では「国語、数学、理科(『物理TB・物理U』、『化学TB・化学U』、『生物TB・生物U』、『地学TB・地学U』のうち二科目選択)、外国語となっている。
 また、後期日程に“文科”では「論文」、“理科”では「総合科目(英語の読解力と日本語の記述力を見る)と、数学、物理、化学、地学のうちから一つを選択(理T)や、生物と化学(理U、理V)および面接(理V)」などとなっており、科目の名称が多少変わったが、ほぼ今春と同じである。
 出願に要する用紙が添付された募集要項の交付は十一月中旬から行う。
 また、@募集要項の請求方法についてA出願状況についてB追加合格について、のテレホンサービスが次の期間行われる。@平成八年十一月一日〜平成九年一月二十二日A平成九年一月二十七日午後五時〜二月六日B平成九年三月二十八日〜三月三十一日。電話番号は〇三−三八一八−九九〇〇。

コラム・淡青手帳

 九月に入り、朝夕に涼しさの感じられる日も多くなってきた。夏休みも終わり、試験期間に突入しているこの頃、みんなは元気にやっているだろうか▼淡青子も、先日大学院の入試を受けた。経験して感じるが、大学院の入試はそんなに甘いものではない。なめてかかると大きなしっぺ返しをくらう。ふだんから地道に勉強することが何よりも大切だ▼だが、もっと大切なのは何のために大学に通い、何のために勉強しているのかという、動機を明確にすることではないだろうか。動機と目的を曖昧にすれば、下だけを向いて歩く人のように、目的地に着かず、人生の迷子者になってしまう可能性が大きい▼勉強の目的を、自分の将来の保証のためとするのも一つの考えだろう。だが、私たち東大生はもっと大きなビジョンを持っていきたいものだ。世界のことに目を向けていきたい▼日本はかつての敗戦の廃墟の中から立ち上がった国だ。それは日本人の勤勉さだけに要因があったのではない。世界の人のおかげで発展することができた。たとえば、アメリカは民主的な改革を断行し、平和憲法により軍事費の支出をおさえることができたし、日米安保条約によって戦後の平和が守られた面も否定できない。また、敗戦の時、中国の蒋介石は「悪に報いるに徳をもってなす」の精神で賠償金を日本から取らず、日本の分断統治にも反対を貫いた▼多くの恩を世界から受けてきたことを忘れてはいけない。これから、日本が経済的にも人材的にも積極的に貢献することが日本のこれからの使命ではないか。東大生はその知識や才能を生かし、二十一世紀のアジア時代を築くために、進んでいきたい。

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