1052号(2008年12月25日号)

1面主要記事

絶滅危機イルカ保護に寄与

  野生長期モニタリング成功
  生産研・浦教授

 本学生産技術研究所海中工学研究センター鯨類観測工学チーム(浦環センター長)は、KDDI研究所、インド工科大学、世界自然保護基金インドと協力し、絶滅の危機に瀕しているガンジスカワイルカの保護活動のための音響観測装置の開発と観測活動を2006年以来継続して行ってきたが、本年11月から世界で初めて野生環境で長期リアルタイムの音響生態観測を開始したと10日、発表した。

 インドのガンジス河流域に棲息するガンジスカワイルカは、近年の人間活動により棲息環境が悪化し2000頭程度に激減、絶滅が危惧されている。濁った水中に棲息し、ほとんど目が見えないこのイルカは、「クリック音」と呼ばれる超音波を頻繁に発しながら周囲の環境を把握(エコロケーション)、捕食活動を行っている。研究チームはこの「クリック音」を水中マイクロフォンで録音、三角測量によりイルカの三次元的位置を特定する音響観測システムを開発した。その過程では測定器への安定電力供給への課題等も克服し、ガンジス川ナローラ地区で11月から来年2月の長期観測を開始した。同モニタリングでは携帯インターネットを通じて、二次元軌跡情報が世界中の関係各位に発信されている。


記事一覧

  • 絶滅危機イルカ保護に寄与―生産研・浦教授(12/10)

  • 超音波用いて認識―工・染谷准教授

  • 癌成長の抑制に成功―農・村田助教ら(11/25)

  • 社会人相手に善戦―ラクロス全日本選手権(12/13)

  • 女性研究者支援の重要性語る―小渕大臣があいさつ(12/1)

  • 生きている癌細胞のみを蛍光―薬・浦野准教授(12/8)

  • 三浦雄一郎氏が講演(12/8)




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